経営理念、企業理念、ビジョン、経営戦略、ミッションなど、企業の価値観を示す言葉には様々なものがありますが、多くの書籍やWebサイトにあたったところ、どうも共通した使われ方はしていないようです。
そこで、インテリジェントネットではその価値観を示す言葉として経営理念、ビジョン、クレドの三つを用いることとし、それぞれを以下の図のように位置づけました。

ひとつひとつ説明していきます。



- 言葉は言霊。良いことを言うように心がけよう。
- 起こることは現象のみ。それを自分がどう感じるかだけ。
- 相手にどうして欲しいかを考えよう。
- 話を返すときは逆接から入らないように注意しよう。
- 自分も社会の一員。人は生かされていて、かつ一人では生きられないことを理解しよう。

- 俯瞰した物事の考え方を持とう。答えはひとつじゃない。
- 悩むと考える、そして考え抜くは違う。悩むは無目的、考えるには仮説、問いが必要。そして考え抜くのは答えを出すこと。答えが正しいかが問題ではない。

- あなたに解決できない問題、課題はあなたにはそもそも起こらない。
- 否定、不満を言うのは誰でも出来る事。それだけでは問題、課題は解決しない。
- 問題があったときには、常に自分に非があるという考えから入るようにしよう。

- 失敗しない人はいない。転ばないのではなく、転びながら前進する事が成長するということ。
- インテリジェントネットは、失敗しながらでも成長させる機会を与えることを約束します。
- 自分の人生、仕事に具体的な目標を持ち走り続けよう。途中で目標が変わっても構わない。目標を立て、そして結果は良くても悪くても真摯に受け止めよう。

- 自分だけの利益になるようなことは続かない。誠実であれ。社会に貢献することで結果的に利益が付いてくる。
- 常に社会が変化する中で、私たちは、お客様がより高い満足を得るために新しい価値を創造し続ける必要がある。
- お客様の言葉にならない思いに踏み込んだところに更なる幸せがある。そこを実現させることを大切にしよう。

- やった方がいいことの方が実際にやれることよりずっと多いことを理解しよう。

- 情報は発信するところに集まる。積極的に情報を発信し、そして共有しよう。

- 会社はステークホルダーみんなが幸せになる道具。より良い環境を築くことは全員の責任です。
会社は誰のモノか
2006年頃、ライブドア元社長の堀江さんの事件をきっかけに「会社は誰のモノか」というテーマが一時期話題になりました。その後、「もの言う株主」が話題になったことから、「結局は株主のものなんじゃないの?」という論調がひとつのポイントになっていたことを強く憶えています。
そもそも会社は誰のモノでもない
上の問いに答えることにはならないのですが、そもそも私はこの設問が間違っていると思っています。私の定義する会社は、「ステークホルダーが幸せになるための仕組み」です。ステークホルダーにはもちろん株主も含まれますが、役員、従業員、クライアント、社会もステークホルダーです。
利益は目的か
「なにを当然な話を」と思われるかもしれませんが、残していくべき文章なのであえて具体的な「利益」というものについて。利益は、ステークホルダーが幸せになるための仕組みを実現させる手段であって、決して目的ではない。
もっとシンプルに考えると、キャッシュは会社にとって血に例えられるぐらい大切なモノで、なければ会社は成り立ちません。では、なんの為にキャッシュ(=利益)を得るのか。それに答えるものが、この一連の経営理念、ビジョン、クレドです。これは個人においてのお金も同じように考えられるはず。
ステークホルダーが幸せになる経営理念を考える
経営理念は、上で示した図の通り、会社の存在意義を示す最も上位の概念としました。ここは恒常的なものなので時代変化にも耐えられるものでなければなりません。会社がステークホルダーが幸せになるための仕組みであり、私たちはどういった一番基本的な価値観をもって会社として存在するのか。
もう少し短い形にしたかったのですが、
社会と対話し、コミュニケーションをより良くデザインしていくことで、(手段)
社会と私たちが共に幸せな状態であることを目指す。(目的)
という経営理念に決めました。
経営理念、ビジョン、クレドに共通して言えることですが、全て応用を効かせて考えなければ、仮に暗記してもあまり意味がありません。もっというと、迷ったときの判断基準と出来るか。その一つとして、やること、やらないことを考えられることが出来るかがポイントです。
経営理念からは、
- やること
- 自分自身も社会の一員であることを意識して、社会、クライアントと誠実に向き合いコミュニケーションを取ること
- 社会も自分自身も幸せになること
- やらないこと
- ステークホルダーの誰かだけしか幸せにならないこと
ということが決定出来ます。やることは大きいですが、やらないことは判断基準に出来そうです。
ビジョンで長い時間軸での未来像を考える
ビジョンは、経営理念の下位概念としました。経営理念が「目指す」という終わり方をしてあるので、ビジョンでは、「何をどのようにすることで実現するのか」を決めます。
私たちのクライアントワークの具体的アウトプットは、Webサイトやレポートといったものが多いのが現状です。よって、私たちの中でも具体的な「作業」に多くの時間を費やす人も少なくありません。
いつも節目のタイミングで私が話すのは、
「あなたの仕事はなに?」
という質問。
提案書を書くこと、ヴィジュアルデザインをすること、コードを書くこと、広告を管理すること、みんな「手段」です。私たちの仕事は、ビジョンで定めた「インターネットを用いて、情報価値の最大化、より良いコミュニケーションを実現すること」。いわゆるモノの見方と考え方を鍛えて欲しいという意図です。「俯瞰的」、「相対的」にモノゴト見て、考えることはインテリジェントネットで大切にしている事です。
良く出す古い話をひとつ。
3人の労働者が建設現場で働いているところに、通行人が近づいてきました。
最初の労働者は汗まみれで、仏頂面をしていました。通行人が、「あなたは何をしているのですか」と尋ねると、労働者は「レンガをつんでいるんでさあ」と答えました。
2番目の労働者も汗まみれで、同じように仏頂面をしていました。通行人が「何をしているのですか」と尋ねると、2番目の労働者は「時給2ドルで働いているんでさあ」と答えました。
3番目の労働者も、やはり汚れて汗まみれでしたが、希望に燃えたいきいきした表情をしていました。一生懸命働いている点は他の二人と同じなのに、この人は仕事を楽々と片付けているように見えました。通行人は3番目の労働者に「何をしているのですか」と尋ねました。すると彼は
「大聖堂を建てているんでさあ」
と答えました。
これがモノの見方と考え方の違いです。あらゆる職種の人が自分の仕事を部分でなくとらえることが出来るようにしたい。そんな思いを込めたビジョンです。
クレドでさらに具体化させる
クレド(credo)は信条を意味するラテン語です。ザ・リッツ・カールトンが使ったことでご存じの方も多いと思います。(※1)
経営理念、ビジョンはもちろん重要なのですが、なかなか日常の判断基準にするというのは難しいものです。私自身も正直、日々意識できてはいません。自分自身でさえそうなのですから、会社で運用する上ではいろいろと工夫をしなければなりません。
工夫という意味ではクレドも同様ではあるのですが、経営理念、ビジョンより具体的であり、考えるポイントもあわせて示すことにしました。また、コアコンピテンシーという形でクレドを評価制度に入れることやいろいろと日常的に思い出すきっかけや仕組みを社員で一緒に考えたりしています。
クレドは、私がまとめたものではありますが、なるべく、あるべき論ではなく、普段の自分たちの大切にする行動からしみ出すような言葉を時間をかけて探っていきました。まだまだ荒いところや多少のダブリ感もありますが、ここはアップデートの余地があってもいいのではないかと思っています。
私たちが大切にすること、譲らないこと
私たちも会社も時代と共に変わっていきます。社会も変わります。(意外と変わっていくのだ、ということを実感できることも大事な事だと思っています)その中で私たちが大切にすること、譲らないことは何なのか。それが経営理念、ビジョン、クレドです。
ビジョナリー・カンパニー 2(※2)には、「誰をバスに乗せて、誰をバスから降ろすのか?」という言葉があります。インテリジェントネットという会社にいるのは、この経営理念、ビジョン、クレドを大切に出来る人。採用基準にだってなります。
私たちは、この経営理念、ビジョン、クレドを大切にして、ステークホルダーが幸せになるための仕組みに磨きをかけていきたいと思います。





