いいね!はお金に変わるのか

  1. いいね!はお金に変わるのか

ここ1年ほど、Facebookを使う人が増えてきた気がしています。ネットを頻繁に使う人の場合、Twitter→Facebookという流れが王道だった気がしますが、そういういわゆるイノベーターやアーリーアダプターと言われる人ではなく、これまでmixiを使ったまま休眠アカウントになっていたような人が、Twitterを通り越してFacebookを利用し始めている気がします(あくまで自分の体感ですが)。

それにともなってなのか、企業やサービスのFacebook利用も活発になってきています。ただ、少々過熱気味かな?という気もしていて、そのあたりについて書いてみたいと思います。

いいね!って、儲かるんだっけ?

のっけから商売っ気が強くてすみません(笑)ただ、少なくとも企業やサービス事業者が投稿する以上、それはやはり「自社の(広い意味での)利益のため」でないといけないと思うのです。すぐにそれがコンバージョン(お問い合わせや受注)に繋がるべきということではありません。認知度向上や、企業イメージの向上、ファンの獲得に繋がるだけでも素敵なことだと思います。しかし、あくまでもそれらビジネスへの貢献が大前提であり、"いいね!"や"シェア"はそれをはかる指標でしかないはずです。

その投稿、自社のビジネスプロセスに関係ある?

Facebookページの投稿というと大概よく言われるのが「写真を入れる」「共感を得やすい内容にする」あたりの話かと思います。確かにこれらはFacebookという「場」の特性を考えれば理にかなっているとは思います。ただ、こればかりに目がいっていいね!やシェアの数を増やすことが目的化しては本末転倒だと思うのです。

猫の写真を日々投稿するFacebookページが増えていますが、猫カフェでもペットショップでもない企業が猫の写真で"いいね!"を獲得することに意味があるでしょうか(厳密には、企業イメージの向上にはもしかしたら貢献するかもしれません。ただ、相当個性的な企業だと思います)。

猫や可愛い女性の写真はこの話の例としてわかりやすいですが、では、飲食店ポータルサイトが美味しそうな料理の写真を投稿するのはどうでしょうか。意見が割れるところかもしれませんが、個人的にはそれほど意味があるとは思えません。グルメポータルですし、一見すると自社ビジネスに関係するように見えますが、果たしてユーザーはそのポータルサイトでお店を料理写真だけで探しているのでしょうか。少なくとも僕は、料理は一要素に過ぎず、むしろアクセスや価格、お店の雰囲気、個室の有り無しや接客、コース内容で決めます。当然、自分の活動エリアにあるお店にしか基本的には興味がありません。

美味しそうな料理の写真はたしかに見ていて楽しいですし、シェアされやすいと思います。しかし、その人達はポータルサイトのファンになってくれるでしょうか?つまりこういうことです。

「ビジネスと無縁ではないけど、ビジネス"プロセス"には関連しないんじゃない?」

自社ビジネスの延長線上という意識が大事なのでは

上記、グルメポータルのFacebookページ運用であれば、地域を絞り、接待や合コン、ランチなどテーマを絞り、それらに使えるお店の紹介が良いのではないかと思います。もしくは、料理写真ならせめて都道府県でエリアを絞った方が良いと思います(運用が大変なので反響の強いエリアに絞る方が良いかも。。。)。

"いいね!"をたくさん獲得できるのは素敵なことです。ただ、それは指標でしかないと思うのです。大事なのはその"いいね!"の質ではないでしょうか。"いいね!"の数は見た目には数字でしかありません。しかし、そのひとつひとつは確実に、どこかの誰かが、わざわざ一手間かけてクリックやタップをしてくれた結果です。

"いいね!"をしてくれたその人はどこのどんな人で、どんな想いで押してくれたのでしょうか。そしてその人は、自分たちが手厚くおもてなしをするべき相手なのでしょうか?その人を手厚くおもてなしして逆に嫌がられたり、相手を間違えたためにコストが膨らんで、もっと大切にすべきお客様への負担になったりしてはいないでしょうか?

たとえば、東急電鉄が行っている「東急電鉄 ココロつなぐプロジェクト」は個人的に好きなFacebookページです。「駅」を内容の中心に据え、そこにイベントや潜入記事を絡めています。決して直接的に東急電鉄利用者が増える内容ではないと思いますが、東急電鉄を利用している人には愛着がわき、イベントなどには足を運んでみたくなるのではないでしょうか。

Facebookの"いいね!"もTwitterのフォロワー数も、WebサイトのPVも数字(指標)に過ぎません。そして違う面からみればその数字一つ一つの向こうには1人の人がいます。

その"いいね!"の数字だけでなく、質にこだわることが重要だと思います。

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