「Webディレクターに気づかいが必要なわけ」に納得した話【2/2】

  1. 「Webディレクターに気づかいが必要なわけ」に納得した話【2/2】

この記事の目次

  1. Webディレクターって、どんな人に向いているのだろう(第1回)

  2. 「Webディレクターに気づかいが必要なわけ」に納得した話(第2回:今回の記事)

    • だから、Webディレクターはいつでも"気づかい"ができる人でいよう
    • 「表に出なくても、満足できる」__やり甲斐を感じる時

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現役大学生吉川がインテリジェントネット社員に聞いてみたいことをインタビューする企画。2回に渡ってお送りするWebディレクター徳永さんのインタビュー企画の第2回です。

さまざまな経験を経てインテリジェントネットのWebディレクターに就いた徳永さんが、Webディレクターとして大切にしている考えについて質問をぶつけてみました。


だから、Webディレクターはいつでも"気づかい"ができる人でいよう

吉川:徳永さんがインテリで何をなさっているのか、改めて具体的にお伺いしたいです。

徳永:だいたいはプロジェクト全体のマネジメント、あとはビジネス目線とかマーケティングとかユーザーだれだっけみたいのとか考える、企画の要件定義と言われるものも多いね。職能的に言うとUX考えたりとか、IA(インフォメーションアーキテクト)に強い人になるのかな。

吉川:「何がそのサイトに必要か」を洗い出したりするというイメージですか?

徳永:そうだね。あとはサイトのデザインを含めた設計をする仕事かな。

吉川:だいぶ想像できてきました。ちなみに、そういった仕事を通じて、Webディレクターの特殊性というものを感じることはありますか?他業種のディレクターにはあまりない、Webだからこその特殊性という意味で。

徳永「自由度」かな。そもそも「何時になったらお店をオープンして、何時になったら何時までに○○と××を終わらせる」みたいなルーティーンワークでないしね。

リスク回避、コミュニケーションの工夫・・・それらに答え、というか絶対的な正解はなくて。つまるところやり方がいっぱいあって、その自由度の高さは特殊かもしれない。

クライアントもリテラシーというか、Web強かったり、強くない方なのかとかいろんなタイプの人と一緒に働くことになる。だから、文章の書き方、コミュニケーションの方法とか、お客様によってなにが一番適切かは異なってくるんだよね。だから、気を配ったり、対処しなければいけない幅が広い。

吉川:コミュニケーションにはものすごく気を遣われていると感じます。以前クライアントに送るメール内容に関する細かい議論を社内チャットで行っているのを拝見させていただいた際などでも、強く感じました。
もちろん他の会社でも心がけていることだとは思うんですけど・・・。

徳永:そうだね。ただ、いろんな会社を経験したけれどうちはそういうところは細かいかなとは思う。

吉川:そうなんですね。確かに自分でも新鮮な印象を受けました。

徳永:ぼくらが提供するコンテンツやあらゆるしかけが、エンドユーザーが使ったときに問題解決ができて、満足できるものでないといけないわけだよね。

だから、このタイミングでどんなボタンがあればいいとか、リンクが張られているべきか否かって、本当に細かい気遣いができない人には良いサイトは設計できない。

そんな仕事をしているのに、同僚でもいいし、上司でもクライアントでもいいんだけど目の前にいる相手に対してまずは気を遣えない奴が、ユーザーと言われるPCとかスマートフォンの向こうにいる自分の目には見えない相手を気遣えるわけがない、と僕は思ってるんだよね。

ぼくは本当にそういうことを前職から上司とか先輩から何度も何度も怒られてきた。だから、常に先手先手、先回りをしてということが習慣になってる。

吉川:身近なところから。確かにその通りですね。

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徳永:だから、「いつでも気が利く人になれ。だから、いつでもユーザーとして体験しろ。いつでもいいものも、悪いものも使いはたして、考えろ。」と言われ続けていたよ。

Webサイトのターゲットユーザーはもちろんエンドユーザーなんだけど、ぼくらディレクターのアウトプット、行いに対するターゲットユーザーは誰だって言ったらクライアントなわけじゃん。

だから、メールひとつとっても、その相手を気遣い言葉を選ぶことも仕事だろう、と。それこそ、例がちょっとあれだけど、相手がタバコを吸う人なら何も言わずにお酒の席で灰皿を用意する、なんていうところもあったよ。

クライアントの体験を自分でもできる限りしていろんなものを見て考えよう、ってことを意識すると、日常的な行動に潜んでいる問題にも気づけるようになるよね。1日に1回何かに気づける人は、1週間に1回しか気づけない人よりも圧倒的に早く成長するんじゃないかな。

吉川:自分も運営しているBoy.という男子向けのキュレーションメディアで毎日納品されるすべての記事に加筆修正をして、公開作業をしている中で、感じることがあります。

いい記事を書くライターというのは読み手のあらゆる感覚を想定できているなと感じます。起承転結の作り方、画像の選び方、とか。もっと言ってしまえば行間の空き具合とか、そのタイミングとか。

徳永:あー、すごくわかるわー。中見出しの作り方とかもうまいんじゃない?

吉川:ああ、もう本当に間違いないですね。中見出しって、単に段落を作ることが目的なんじゃなくて、「読み手がその記事の起承転結を把握しながら読む」ことにあると思っていて。それを意識して、一語一句に意味やメッセージを込めて丁寧に作っている文章っていうのは読みやすい気がします。

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徳永:サイトの構築も、そういうメディアにおけるライティングに通じるものがあると思うよ。LPとか製品サイトでもいいんだけど、製品紹介ページの中見出しに「製品紹介」と単純に書いたって、コンバージョン率は上がらないよね。

吉川:たしかにそうですね。あらゆる方向性に対して、気遣いを忘れないようにすることが、ユーザー体験を想定することに繋がり、良いものを生み出すことに繋がるということは自分にとって発見です。

徳永:Webディレクターとして、UXはもちろん、プロジェクトマネジメントにおいてもクライアント相手に「気を利かせる」というのはぼくのWebディレクターの仕事の根本にある考え方になってる。


「Webディレクター」とは、どのような仕事なのかを、何を大切にやっているか?から話していただいたので、新しい気づきがありました。

なぜ目の前の細かな気遣いが大切なのか。「それが、ユーザーの体験を想定することにつながり、良い物を生み出すことに繋がる」ということなんですね。


「表に出なくても、満足できる」__やり甲斐を感じる時

吉川:徳永さんはWebディレクターとして、どんなときにやりがいや幸せを感じるんでしょうか?

徳永:かっこいいデザインとか機能とかは、単純に手段でしかなくって。成果が出るのが一番なんだけど、それも実は手段でしかなくて。結果的に「徳永さんのおかげで利益が伸びました」「徳永さんのおかげで会社でのポジションが上がりました」っていうのを聞けるのが本当にうれしい。

吉川:おー。その人の昇進や幸せを報告してもらえるって、それはすごく幸せですね!

徳永:高校サッカーやってる頃から、ぼくには誰よりも秀でた何かがあるわけじゃないなと感じることがあって。あーぼく、特徴ないなーと。だから、仕事でもエンジニアやデザイナーが独りで働いているだけでは実現できない成果を、Webディレクターとして達成して人の役にたつということが、ぼくにとってのやりがいかな。

吉川:なるほど、でも実際、「表に出なくても、満足できる」って言えることは実は本当に強いことだと思います。

徳永:いくらなんでも、誰からも何も言ってもらえないのはつらいけど、(笑)でもそれも最近はあまりないかな。社内や業界の誰かが認めてくれれば、世間的にどう思われたとしても、いいかなって思う。

吉川:そうですね、周りの人を認めたり褒めたりすることがちゃんとできる人って、本当に素敵だなと思うんですよね。そういう人たちと一緒に働くことも同じく大事だと思ってます。「ありがとう」にもう一言、二言、その人のことを気遣える言葉を加えられるような人になりたいです。

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徳永:そうだね。だからインテリでは人一倍気を遣ってそういうことを実行しようとしているつもりかな。なんでかって、ぼくは、ぼく一人では何もできないって思ってるからなんだよね。

ほら、ぼくがデザインするわけでも、コードを書くわけでもないからさ。ぼく一人いても間違いなく1ページもWebサイトはできない(笑) 

だから、そんなぼくができることは、チームとして成果を出すために必要なのは、その実際に手を動かしてくれる、才能あるメンバーそれぞれの100%を発揮してもらうこと。

みんなができる限り力を発揮できれば、それが最高到達点なわけで。それは、クライアントも含めてね。だから例えばクライアントからちょっと無理なことを言われてしまったときには、きちんとそれを率直にクライアントに伝えることもそう。

そういう気遣いベースでのコミュニケーションがなければ、仕事が苦労の渡し合いというか、ぼくは「自分の仕事がただの不幸の転売をしてるだけ」って言ってるんだけど、そうなってしまう。

自分のたった一言でメンバーのモチベーションが上下するポジションにいるわけだから、もちろん時には指摘しあうことも必要だけれど、やっぱり誰だって楽しく仕事したいわけだから、

普段はあえてフランクに接したり、冗談混じりに会話をしたりすることも大事だし、そして互いの努力や才能を認め合うことを通じてWebディレクターとしての役目を全うしたいよね。

吉川:確かにそうですね。

徳永:昔言われた言葉で、今でも大切にしている言葉があって。

Webディレクターとしての財産は、「自分のプロジェクトが炎上したときに、お前の助けてって一言で、手を差し伸べてくれるエンジニアやデザイナーが何人いるか」だぞ、と言われた。

だから、いつだって仕事はキチンとやる。平常時の仕事をキチンと丁寧にできない人が突然「困った!」と言っても、誰も助けてくれないからね。「まったくよー、まあお前が言うんじゃしょうがねぇか」って言ってもらえるようじゃないと。

自分と一緒に働くエンジニアやデザイナー、そしてクライアントとポジティブなコミュニケーションがとれるように、気は遣っているかな。

吉川:いい話すぎて、満腹なんですけど・・・(笑)

徳永:(笑)

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吉川:これから成し遂げたいこととかあるんですか?

徳永:ずっと前から描いている夢があって。今は大きな案件が中心になっていて、それはそれでもちろん楽しいんだけれど。だから老後かな?

老後に、地方で地元のお肉屋さんや八百屋さんのとか商店街の小さな一店舗のサイトとかやりたいんだよね。地場にいる同業者の経営をあんまり邪魔し過ぎない程度に、にこにこやれたらなあと。

やっぱりちゃんとやろうと思ったらすごく高くて、そういう個人商店クラスの方々はさすがに大きな制作会社にはそうそう依頼できないじゃん。

でも、少ない予算でもやれることはいっぱいあると思ってて。そういうところにもいつか役に立てたらなぁって。「おう!おめーのおかげでメンチカツがだいぶ売れてよぅ!」「え?ほんとに!いいじゃん、そしたら今日は安くしてよ~」みたいな。(笑)

そんな風にして自分のキャリアを活かすのは、ありだなって。

吉川:もう、ものすごくいいと思います。(笑)


以上、2回に渡るインタビュー企画第1弾でした。聞き手が学生にかかわらず、丁寧に話していただけて楽しかったです。

「なぜ気づかいの精神を大切にするか?」と問われれば、「それが、ユーザー、クライアントの体験に寄り添う最良な方法だから。」と答えようと思えました。

いろんな意味で次のインタビュー企画のハードルがバンバン上がっている気がしますが、まだまだインタビューさせていただきます!(何より自分が楽しんでます!)

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