「やさしく、つよい」地域のゴミを資源に変える取り組み

  1. 「やさしく、つよい」地域のゴミを資源に変える取り組み

「やさしく、つよい」地域のゴミを資源に変える取り組み

みなさん、こんにちは!UX/UIデザイナーの友常です。

INIは「やさしく、つよい会社を増やそう。」という経営理念を掲げています。私たちの考えるやさしさとは「長く一緒にいつづけること」。そしてつよさとは、そのやさしさを現実にする力と定めています。
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このシリーズ記事では、私たちが「やさしく、つよい」を体現しているなぁと思う企業やサービス、取り組みを紹介していきます。「やさしく、つよい」を具体的にどう形にしているのか を知ることで、まずは私たち自身が理解を深め、そして同じ志を持つ仲間やお客さまと "やさしく、つよい" を共通語にして対話を広げることが目的です。

もしこの記事が「わたしたちも同じ方向を目指しているよ」と手を挙げてくださる企業や人との橋渡しになれば、これほどうれしいことはありません。

今回は、日本の様々な地域で行われている「ごみを資産に変える循環の仕組み」に焦点を当ててみました。 きっかけは、社内の市原から教えてもらった佐賀のバスの話でした。「家庭の天ぷら油を燃料にして走っているバスがあるんだよ」という話を聞いたことです。

一見「ごみ」と思われているものが、地域を動かす「エネルギー」や「資源」に生まれ変わる。この価値の転換が、地域が外部環境に左右されずに「長く一緒にいつづける(=やさしさ)」ための、確かな「つよさ」に繋がっていると感じました。

今回は、身近な「もったいない」を地域の「つよさ」に変えている3つの地域の事例から、そのヒントを探っていきましょう。


目次


1. 【佐賀県・佐賀市】キッチンの油でバスが走る

家庭で使い終わった「天ぷら油」を回収し、市営バスやごみ収集車の燃料(バイオディーゼル燃料)として再利用する取り組みです。市内各地に設置された回収ボックスから集められた油が、コミュニティバスやゴミ収集車の燃料となり、地域を走る循環の仕組みが整っています。

天ぷら油改修ボックス

「やさしさ」ポイント
油を「流せば汚れ、捨てればごみ」という考えから、「集めれば資源」という意識への転換。キッチンから始まる一人ひとりの小さな協力が、下水道を守り、川や海の水を汚さないという地球への優しさに直結しています。

「つよさ」ポイント

  • エネルギーの地域循環: 外国から輸入する化石燃料への依存を減らし、自分たちの手でエネルギーを生み出す「自立した街」のモデルを構築しています。
  • カーボンニュートラルへの貢献: 植物由来の油を燃料にすることで、排出される二酸化炭素を実質ゼロ(カーボンニュートラル)と見なすことができ、地球温暖化対策の強い味方となります。
  • 見える循環による市民の誇り:市内では天ぷら油で走っていることがわかるラッピングバスも走行しています。 「自分が提供した油でバスが動いている」という実感が、市民の環境への意識を高め、地域全体で未来を創る強い連帯感を生んでいます。

天ぷら油で走っていることがわかるラッピングバス

参照:バイオ燃料(BDF)へのリサイクル | 佐賀市公式ホームページ

2. 【福岡県・大木町】生ごみが「美味しいお米」に化ける

「燃やさない・埋めない」を掲げるゼロ・ウェイスト宣言の町、大木町。ここでは生ごみを単なる「捨てるもの」から「農作物の恵み」へと転換させるため、家庭の生ごみとし尿をバイオマスセンター「くるるん」でメタン発酵させ、再生可能エネルギーと液体肥料に変えて地域農業に還元する、国内屈指の循環モデルを構築しています。

「やさしさ」ポイント
生ごみ以外のごみも「ごみ」ではなく「資源」として、21種類にも分けて丁寧に分別されています。この住民一人ひとりの「もったいない」という意識が、子どもたちの給食に使われるお米や野菜を育てる、温かな循環の起点となっています。

【福岡県・大木町】生ごみが「美味しいお米」に化ける

「つよさ」ポイント

  • エネルギーの自給自足: 生ごみから発生したバイオガスで発電し、処理施設の電力の約7割を自前で賄うことで、環境負荷とコストを同時に抑える強いインフラを実現しています。
  • 農業と経済の活性化: 液体肥料「くるっ肥」で育てられた「環(めぐり)米」は、学校給食への提供だけでなく、道の駅でも人気を博しており、ブランド力の高い循環型農業を確立しています。
  • 広がる連携と交流人口: ソフトバンクホークスとの「食の循環」連携や、年間1,000人規模の視察・観光客が訪れる「学びの場」としての価値が、町の新たな活力を生んでいます。

参照:大木町循環のまちづくりセンター くるるん

3. 【徳島県・上勝町】45の分別が「誇りと絆」を創る

2003年に日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、現在では驚異の「45分別」と「リサイクル率80%以上」を達成している町です。その活動拠点である「上勝町ゼロ・ウェイストセンター WHY」は、ごみをごみとして扱わず、資源としての価値を問い直す場所として、世界中から注目を集めています。

ごみの分別体験

「やさしさ」ポイント
ごみをなんと13カテゴリー45種類に細かく仕分け、自らセンターへ持ち込む習慣。また「くるくるショップ」を通じて不要品を譲り合うなど、住民同士の「丁寧な暮らし」が資源の有効活用を支えています。

「つよさ」ポイント

  • 資源売却益による持続可能な財政: 45種類の緻密な分別によりごみの約80%をリサイクル。売れる資源を最大化することで、処理コストを抑え、環境と経済の両立を可能にしています。
  • 世界を惹きつけるブランド力: 廃材を活用した独創的な建築や「HOTEL WHY」での宿泊体験を通じて、世界中から環境意識の高い旅人を集め、地域に新しい経済価値と誇りをもたらしています。
  • 「問い」を生む宿泊体験: 滞在中に自ら分別を体験するワークショップは、旅を「ただの消費」から「生き方のヒントを得る体験」へと変え、再訪を生む強力なコンテンツとなっています。

参照:上勝町ゼロ・ウェイストセンター WHY | 徳島県上勝町

まとめ:「やさしい」手間が、地域の「つよさ」を創る

これら3つの地域に共通するのは、住民の皆さんが少しだけ「手間」をかけていることです。

油をペットボトルに入れる。生ごみを分ける。ゴミを45種類に仕分ける。

一見すると大変そうなこの「やさしい手間」が、外からエネルギーを買わない「つよい経済」を生み、子どもたちの未来や美味しい農産物、旅人を迎えるおもてなしへと繋がっているようです。

INIは、"やさしく、つよい"価値創造を支えるUX/デジタル施策の設計・運用を通じて、企業が持続的にお客様や社会と長く関係を構築する体験づくりをお手伝いしています。ぜひお気軽にご相談ください。

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